留守中(岩尾七海とSevenSea4.5)
「兄貴たち大丈夫かな」
七海と夕雨がドライブへ出かけた後、伊風は不安げに呟いた。
「どうかしら。ちょっと心配だけど、夕雨はドライブ嫌いじゃないのよね」
母の言葉に、伊風は頷く。
「話がなくても、景色を眺めてればどうにか乗り切れるかもな」
「そこがドライブの良さよね。いいアドバイスしたじゃない、って内心感心してたわよ」
「そう?」
「て言うか、そこまで見越して勧めた訳じゃなかったのね」
「残念ながら」
「まあ、七海は大人よ。大丈夫でしょ」
「あの人、結構子どもっぽいとこもあるぜ」
「そう? 本人を前にしたら途端にカッコつけて、名前を呼び捨てにしてるあんたよりは、かなり大人だと思うわよ」
「……」
ぐうの音も出ない伊風だった。