縞衣の小説ブログ

縞衣(しまころも)の創作小説サイトです。4作品連載中。

岩尾七海とSevenSea

帰宅中(岩尾七海とSevenSea8)

「和希君、七海のこと好きになっちゃダメだからね」 和希が送る車中で、深優がぽつりとそう言った。『SEVEN SEA』を出て一緒に食事をして、何々がおいしかったね、なんて話も落ち着いて、一瞬静かになった時の事だった。 「は?何だよそれ」「だって和希君、…

和希、七海、深優(岩尾七海とSevenSea7)

和希は、七海の性別など本当にどうでもいいようだった。顔を真っ赤にさせた後は先程までよりもさらに敵意を強くし、どんっと七海の腕に体当たりするようにして至近距離で睨み上げてくる。「和希君」 そんな和希に、深優が抗議する。が、和希の耳には入ってい…

深優と彼氏(岩尾七海とSevenSea6)

「遅くなってごめんね!」 閉店間際の『SEVEN SEA』にそう言って入って来たのは、一組のカップルだった。 正確には、カップルの女性がそう言った。「いらっしゃいませ。まだ閉店前だよ」 七海が微笑むと、「ありがとう」と女性は微笑みを返す。 隣にいた男性…

夕雨と真辺の噂(岩尾七海とSevenSea5.8)

夕雨が話題に上った女子トークを、真辺はたまたま耳にし、さっそく夕雨に報告した。 「岩尾、女子が今朝のお前の話題で盛り上がってるぞ」「ほえ?」 昼休み、昼食後。隣のクラスの友人に少し用があって出かけていた真辺は、女子が大いに盛り上がっていた事…

夕雨の噂(岩尾七海とSevenSea5.5)

「ねぇねぇ、聞いた?4組の岩尾君、ブラコンなんだって」「聞いた聞いた!なんか教室で、お兄さんの事『すっごいイケメンでカッコよくて超エロイ』とか言ってたらしいよー!」「えーっ!」「どんだけお兄さん好きなのかっての!」 「でもお兄さん、美容師で…

夕雨と真辺(岩尾七海とSevenSea5)

「おっす岩尾」 生徒玄関に向かい歩いていた夕雨は、背後から声をかけられ振り向いた。「おはよ」「お、何か今朝はご機嫌?」「別に」 夕雨は短く答えたが、中学からの友人・真辺(まなべ)はニヤリと笑う。 「表情がいつもより柔らかいし」「……昨夜、ドライ…

留守中(岩尾七海とSevenSea4.5)

「兄貴たち大丈夫かな」 七海と夕雨がドライブへ出かけた後、伊風は不安げに呟いた。 「どうかしら。ちょっと心配だけど、夕雨はドライブ嫌いじゃないのよね」 母の言葉に、伊風は頷く。「話がなくても、景色を眺めてればどうにか乗り切れるかもな」「そこが…

夕雨とドライブ《後》 (岩尾七海とSevenSea4)

車の通りも少なく、目的地には十五分程で着いた。 小さな漁港だ。砂浜はないが、海は海だ。浜のある綺麗なところは、さらに車を走らせなければならないので却下した。 近くの空き地に車を停めると、七海たちは車から降りた。 「少し歩こうか」 ズラリと漁船…

夕雨とドライブ《前》 (岩尾七海とSevenSea3)

「夕雨、おれだけど」 七海が部屋のドアをノックすると、中で動く気配が伝わってきた。 少しして、ガチャリとドアが開く。 「お前、返事くらいしろよな」「…何?」「これからドライブに行くんだけど、一緒に行くか?」「今から?」 夕雨は眉をひそめた。七海…

七海の課題(岩尾七海とSevenSea2)

「さて、掃除しますか」 美容室は清潔さが重要だ。汚い美容室でカットしたいと思う人はいないからだ。いくらでもお客様に気持ちよく過ごして頂けるよう、閉店後に掃除し、開店前にも掃除する。 掃除する事で気持ちのリフレッシュにもなるから、七海は掃除が好…

四人の高校生(岩尾七海とSevenSea1)

「ありがとうございましたー」 午後七時前。 おそらく本日最後だろうお客さんを見送った岩尾七海(いわおななみ)は、床に散らばった髪の掃除に取り掛かった。 ここは、カット専門美容室『SEVEN SEA』。七海が一人で切り盛りしている。 中学生の頃から「将来…

岩尾七海とSevenSea もくじ

カット専門美容室『SEVEN SEA』のオーナー兼スタイリスト、岩尾七海(いわおななみ)。イケメン美容師である七海には、しかしある秘密があった。 『SEVEN SEA』に訪れる人々や、七海の人間関係を描くヒューマンドラマ。 1.四人の高校生 2.七海の課題 3.夕雨…

このブログで掲載されている作品は全てフィクションです。 実在の人物・団体等には一切関係ありません。 また、作品の無断転載等を禁じます。