読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

縞衣の小説ブログ

縞衣(しまころも)の創作小説サイトです。3作品連載中。

職員会議(桜田桜の日常24)

「校内で暴行事件未遂だって?」 語尾の跳ね上がった声に、料研顧問・中瀬は軽く首を竦めた。 「そこまで大袈裟なものでは…。本人達は、ほんの悪戯くらいの感覚だったようですし」 「だからこそ注意が必要なんだ。若者は軽い気持ちで羽目を外し、軽い気持ち…

デートとキスと、指輪と約束(桜田桜の日常 クリスマス特別短編)

「晴夏先輩へのクリスマスプレゼントなんだけど、どんなものをあげたら喜んでもらえると思う?」 桜は、複数の人達に同じ質問をした。 クラスの友人たちの返答はこうだった。 「そりゃ、『俺をあげます♡』ってのが一番だろ」 「晴夏先輩、『桜が16歳になった…

うぶで乙女チック(桜田桜の日常23)

挨拶が終わると、花岡がツンと桜の腕を突いてきた。 「ん?」 「布巾当番って?」 「使った布巾を集めて洗う当番だよ。台拭きは手洗いしてそれぞれ台についてる布巾掛けに掛けるけど、食器用の布巾は、それぞれのグループに用意された専用のバケツに入れるん…

花岡初参加(桜田桜の日常22)

ポテトサラダは、砂糖を加える事でマイルドになった。 鮭のムニエルはこんがりとおいしそうに焼け、新玉ねぎとしめじのお味噌汁もおいしかった。もちろん、炊けたてのご飯も。 新じゃが、新玉ねぎと旬のものをたっぷりと使ったメニューで、とても満足できた…

怒りのパワーじゃ角が立つ(桜田桜の日常21)

桜が戻ると、グループのみんなはゆでたジャガイモをザルにあけたりゆで卵の皮を剥いたり、玉ねぎを水にさらしたりしているところだった。 「サクラ君、大丈夫?」 みんなは手を止めて、心配そうに桜を見つめる。 「はい、大丈夫です。ご心配をおかけしてすみ…

事のあらまし (桜田桜の日常20)

「桜、何があったの?」 少しして、晴夏が抱きしめていた腕を緩めてそう聞いた。 「あの…」 彼女の温もりにホッとして安心しきっていたが、ここは調理実習室だ。 急に恥ずかしくなり、桜は「大丈夫です」とかみ合わない返事をする。 「とてもそうは見えない…

的中した悪い予感と、彼女の腕の中(桜田桜の日常19)

掃除やホームルームも終わり、ようやく放課後になった。 「はあ…」 一日の間に色々な事があって、桜は知らず知らずのうちに溜息をつく。 「おい、そんな疲れた顔するなって。今日は調理実習だろ?」 そう言ってバンと背中を叩かれ、桜は顔を上げた。 「終わ…

彼氏の浮気?(桜田桜の日常番外編)

「明治(めいじ)が浮気してるみたいなの」 「花岡君が?」 ある日の昼休み、お弁当を食べながら切り出した南(みなみ)の言葉に、友人の奈都(なつ)は首を傾げた。 「どうしてそう思うの?」 「だって、これ見てよ!」 南は、ポケットからスマホを取り出し…

待ちぶせ (桜田桜の日常18) 

五時間目は体育だ。 あんなに緊張していたのが嘘みたいに、晴夏とのランチタイムは楽しく、打ち解けていろんな話ができた。 そのせいで、ついつい次が体育だという事を忘れ、ギリギリまで裏庭で過ごしてしまったので、桜は現在、一人で体育館にある更衣室へ…

ガッカリと照れちゃう(桜田桜の日常17)

「お弁当、今日から交換する?」 「あ、いえ明日からで」 晴夏の問いに、桜はそう答えていた。 彼女と交換する事になるなんてもちろん思ってもみなかったから、今日のおかずはほとんどが昨夜の残りものだ。 ポテトサラダに豆腐入りハンバーグ、ミニトマトと…

秘密の場所で(桜田桜の日常16)

「ほら、素敵な場所だろ?!」 晴夏は、『秘密の場所』に着くとそう言った。 そこには、大きなモクレンやイチョウの木などが植えられ、ちょこんと茶色いベンチが一つ置かれていた。 ベンチは雨風にさらされてだいぶ古び、あちこち傷がついている。 木の向こ…

いざ、ランチへ(桜田桜の日常15)

「桜、お待たせ!」 四時間目が終わると、晴夏がやって来た。 その手には、チェックのハンカチに包まれたお弁当。 「なんだ桜田、彼女のお迎えか」 生徒から質問を受けてまだ教室に残っていた若い数学教師が、冷やかすように桜を見た。 「お前、モテるな」 …

Amazonで本が2冊売れていました!

縞衣です。 先程、何となくメディバンにログインしてみたところ、なんと!Amazonにて『桜田桜の日常1』が売れていました! それも、2冊もですよ! メディバンの作品ページでもいいねが貰えていたし、もう本当に感激です! やってみて本当に良かったです! …

花岡が語る幼稚園時代(桜田桜の日常14)

三時間目が終わった。 挨拶が終わると、桜は教科書もしまわず、真っすぐに花岡の席へと向かう。 「さっきのどういう事?!俺、いくら考えても分からなかったんだけど!」 机に両手をついて迫る桜に、花岡が驚いた顔をした。 「サクラ、ちょっと落ち着けよ」 …

ケンカと仲直りと… (桜田桜の日常13)

二時間目が終わると同時に、桜は席を立った。 人が来ないうちに、トイレへ行くのだ。 廊下に沢山の野次馬がいる状態では、用足しの一つも行きづらい。 急いでトイレに入ると、まだ誰もおらず、桜はホッと胸をなで下ろした。 用を足し、手を洗って出ようとし…

晴夏の心 (桜田桜の日常12)

一方晴夏は、桜と別れた後、ドキドキが止まらずにいた。 (ああっ…!どうしよう、まさか彼から手を繋いでくれるなんて…!) 自分からはさんざんアピールしたし、それは平気なのだ。 ドキドキはするけれど、赤くなったり照れたり恥ずかしがったりする桜の反応…

大変な一日の始まり (桜田桜の日常11)

晴夏先輩と別れた桜は、教室へ向かった。 すでに授業が始まっているから、校内はしんとしている。 教室のある廊下まで来ると、先生の声が響いていた。 少し緊張しながら、教室の後ろの戸をそろっと開ける。 静かに開けたはずなのに、一斉にクラスメイトの視…

追いかけっこと、告白と (桜田桜の日常10)

(何を考えてるんだよ部長!) 桜は走りながら、困惑していた。 もう始業が近いせいで、大勢の生徒とすれ違う。 その度に生徒達は、猛ダッシュで逆走する桜を何事だろうかと見やる。 生徒玄関へさしかかり、人の数がさらに増えたが、桜は構わず突っ切った。 …

部長の怒りとその理由 (桜田桜の日常9)

今日はいよいよ調理実習だ。 食材は昨日の内に買い調理実習室の冷蔵庫に入れているから、当日に学校へ持って行く物はエプロンくらいだ。 桜が登校すると、花岡が嬉しそうに駆け寄ってきた。 「おっすサクラ!なぁ、今日調理実習なんだろ?何時頃に終わる?」…

色気より食い気 (桜田桜の日常8)

みんなで行ったのは、学校近くのファミリーレストラン。 近くに高校があるせいか、学割サービスもあり、値段も手頃で人気の店だそうだ。 他のクラスのメンバーもいる為、全部で八人。 四人掛けの席二つを、案内してくれた店員さんがくっつけようとしてくれた…

料理は好き、でも一人は少し寂しい (桜田桜の日常7)

料理研究部のDKが主人公『桜田桜の日常』第七話。

懐が広い?(桜田桜の日常6)

部長から解放された桜は、体育館へ向かった。 花岡に、預かった入部希望書を渡す為だ。 いつもより遅い時間になり、ちょうどバスケ部も練習を終える頃だった。 体育館から部員がぞろぞろと出てくるのに出くわし、桜は花岡の姿を探す。「どうしたの、何か用?…

入部許可(桜田桜の日常5)

「そんなに怖がらないでよ、サクラ君」 部長が、クスッと笑って桜(さく)を見下ろす。 桜の身長は、百六十五センチ。 部長はと言うと、数センチほど桜より背が高い。 多分、百六十八か、九くらいだろう。 身長でも負けているなんて、腹立たしい事しかない。…

部長と窓ドン(桜田桜の日常4)

「サクラ君。聞きたい事って何かな?」 部活後。 部長が、桜(さく)に歩み寄りながら言った。 その顔は、満面の笑み。 くどいようだが、桜はこの部長の笑顔が苦手だ。「料研に入りたいって友人がいるんですけど、兼部でも構いませんか?」「料研に入りたい…

料理研究部の入部規則(桜田桜の日常3)

放課後。 桜(さく)は、料理研究部の部室である調理実習室へと向かった。 火曜日の今日は明日の実習に向けて、近くのスーパーへ買い出しに行く事になっている。 桜がいつも行っている『フレッシュ館』だ。「お疲れーっす」「ああ、来たサクラ君」「遅いよー…

ミートボール(桜田桜の日常2)

「お前の弁当、美味そうだな」 桜(さく)の弁当をのぞいて、深山(みやま)がそう言った。「そうか?」 料理を始めて、まだ一ヶ月。 お世辞にも、上手いとは言えないと思うのだが。「そのミートボールくれ」「いいけど、昨日の残り物だぞ」 スーパーで買っ…

豚か鶏か(桜田桜の日常1)

桜田桜(さくらださく)は、悩んでいた。 豚肉にするか、鶏肉にするか。 ここは、近所にあるスーパー、フレッシュ館。 『あなたの暮らしをフレッシュに!』 これがキャッチフレーズのスーパーだ。 豚のミンチは、外国からの輸入品。 鶏のミンチは、国内産。 …

桜田桜の日常 もくじ

桜田桜の日常 あらすじ・登場人物紹介 1.豚か鶏か 2.ミートボール 3.料理研究部の入部規則 4.部長と窓ドン 5.入部許可 6.懐が広い? 7.料理は好き、でも一人は少し寂しい 8.色気より食い気 9.部長の怒りとその理由 10.追いかけっこと、告白と 11.大変な一日…

桜田桜の日常 あらすじ・登場人物紹介

☆★☆ あらすじ ☆★☆桜田桜(さくらださく)の目標は、『早く自立する事』。その為に実家からは通えない高校に進学し、料理研究部に入部。日々家事や料理にいそしみ、就職する頃にはそれらが自然とできる事を目指します!そんな桜の日常を描いた作品です。☆★☆ …

このブログで掲載されている作品は全てフィクションです。 実在の人物・団体等には一切関係ありません。 また、作品の無断転載等を禁じます。